部屋のなかで
傘が開いてる
服が
脱ぎ散らかされている
昨日かけたドライヤーはそこに
換気扇は回りっぱなし
自ら
のどの奥に
人差し指を突っ込む
わたしは
たくさんの曲がりくねった路を歩いてきて
ここまできてそしてたくさんの人を傷つけてきて
そしてむちゃくちゃにここに今居て
いまもいまだ
ぐねぐねに曲がる路の真ん中で
動けなくなったり窒息寸前になりながら歩く
おそらく
わたしよりもわたしをよく知るひとが
わたしのことを真っ直ぐだと言った
ぐるぐると
ちいさなことに捕われていたそのことたちが
ひとつづつ片付いて行った
大好きになった人が私のことを
大好きになる瞬間ほど
自分の自尊心を救ってもらえることはない
素敵だなと心から思ったその人たちが
目の前で笑うそれだけで
わたしが
ここにいてよかったんだろうと
生きていてよかったんだろうと
大げさなのかもしれないけれどおもう
ただの酔っぱらった夜
珍しく酔っぱらった夜
わたしは
真っ直ぐに育ったんだ。
おとうさんと
おかあさんに
生んでくれてありがとうと
メールをした
何も特別でない
普通のなかの普通の家庭にすくすく育ったわたしは
いま
こんなにも
恵まれている
からだのなかの感情が
すべて屈託なく溢れ出すこのときは
なかなかめぐりあうことのない
貴重なそのとき
ぐでんぐでんに酔っぱらって
ぐでんぐでんに
あいを噛み締める
わたしが生まれた奇跡
奇跡と
奇跡と
奇跡の上をあるいてわたしは
この先も。