陸の真ん中から
ひたすらまっすぐな道を海のほうに向かう
晴れたその空に道案内してもらうように
ずっとずっとまっすぐに
流れるコマをうしろにうしろに繰り返し見送って
大きな川を何本も渡って
橋の両側に並ぶ電灯に気をとられて
汗ばむくらいに天気がよければ
窓をあけて
進むネイビーの塊
ちいさな世界を
小気味いいスピードでひたすらぬけてゆく塊
目的地は海のほう
海なんてみえなくたって
とにかく海のほう
風と青色に導かれて進む
毎回持っていくCDは同じ
何度同じ道をすすんでも
その風景と温度とにおいに似合う音は決まっているから
高速どうろの上を滑ったり
のんびり田舎道を歩いたり
ただ移り行く風景を仰いで
ただ恋人の顔を思い浮かべて
走る
走る
助手席には
いつでもコンタックスの一眼レフが二台
走る走る
朝早く
たまに日の出とおなじくらいに出発をして
目的地は海のほう
海なんてみえなくたって
とにかく海のほう
はしる、はしる
ドライブの記憶