いつもみたいに威勢よく
「まい!まい!」って呼ぶもんだから
いつもみたいに「はあい?」ってこたえ
だきしめにいくと君は
「まい-あ-うー..」ってめずらしくモゴモゴことばをにごす
わたしは君の口からそのフレーズを
一度ももらったことはなかったから
いっしゅん考えたけどすぐにわかったの
もじもじしながらパパを追いかけて出て行く君をよびとめ
わたしは初めて言った
“ガブラ!愛してるよ!”
すると君はうれしそうに同じ言葉を返した
お別れがもうすぐ目の前にあるそんなときの出来事
いつでも君は
「まい!はさみはにほんごでなんていうの?」
「まい!まいがかえったらぼくらもにほんに住むんだよ!」
そういって君がわたしのことを大好きなのは知っていたさ
わたしのあとについて「イタダキマス」を言えたのも知っていたさ
それでもさいごおわかれの日に走りよってきて
「イキマスカ?」ってはっきり言ったのにはおどろいたよ
どこに行くのかとかそういうのは置いておいて、
教えたおぼえのないことばを投げかけてくるなんて
きみも相当わたしのことをあいしてしまったのね。
「ガブラ!ハグして!キスして!」と言うと君は嬉しそうに
走りよりわたしの唇をうばっていった。
2回も。
君がおとなになるまでこのハナシはおあずけで。
君の大好きな伯父さんにもないしょにしておこう。
次に会うときまでには、ひとりでトイレの水をながせるように
なってるといいね。
愛してるよ。
またあう日まで。