次第に心がクリアになって
物事がそれはそれは
透き通って見える
もう一度
またもう一度と
起きた出来事から己を振り返って
省みる時間が何度も訪れて
そうして見えてくる事がある
悲しい出来事というのは確かに
何もかもを見失い
絶望感の淵で立ってもいられない程の痛みに
耐えなければいけないかもしれません
それでも
そこをもう一つ超えた次元のところには
やはりただ透き通った美しい世界が広がっているから
そうするとまた
恐怖とか絶望から解き放たれて
ただそこにあるものを受け入れられるようになる
何かの教科書通りの言葉のようになったけど
ゆっくり
本当にそうやって心が育ってゆくのを感じ取れるのです
遠く離れた恋人は
わざわざニューヨークまで
私に別れを告げに来たのではなくおそらく
たくさんの罪悪感とともにやってきてそして
真実を確かめにきてそして懺悔をするとともに
わたしに感謝の言葉を述べにきた
ふたりがふたりともめいっぱいに振り回された恋は
結局一旦終止符を打つとともに
ちゃんとお互いが前に進む事を約束
綺麗ごとを並べ立てただけのような連続だったけど
それでも十分実際に美しかったと思うから
上海で出会って
ありがちな英会話のレッスンみたいに始まった恋は
季節をまたいでいつしか
泣きながら喧嘩できる位にはなって
彼はわたしのことを今やっと少しだけ理解し始めたようだった
わたしは彼の気持がとてもよくわかっていたので
いつでも何もいわなかった
それはわたしが辿って来た道なだけであって
弱いことも迷う事もヒトを傷つける事も何もかも
今まで数えきれないほどの失敗を繰り返した結果であって
最後まで私は何も言わなかった
あなたはある種の感情に支配された瞬間
ぎゅっと目を固くつむる癖があることを知った
その裏側にはとても想像したくないことが詰まっていそうで
美しいあなたの目はいつでも悲しそうだったから
あーだの、こーだのいいながら
結局私の元を去った彼だったけど
最後の最後に私はいままでに一度もそれを
彼の口から聞いた事のないそれを
聞かされることになります
今まで長い事探していた穴にぴったりの答えが
次々に現れてわたしを助けてくれる
ニューヨークという町にも多いに救ってもらいながら
おかげでまたひとつまたひとつと
必要なことが淘汰されて
混じりけのない姿に変わってゆく
進んでゆく道はどちらに伸びていようとも
それはそれは背筋がぞくっとするほどに
美しいのだろうと確信する
どこにでも転がっているけれど
とても深く意味が詰まって
意外にも軽々しく口にされたことはなかったそれ。
あなたがくれた沢山の愛の言葉の、
しっぽの先に。
“I love you, Mai.”