わたしは欲望のかたまりで
ドロドロに醜い感情であふれかえる
ただの欲望の塊だった
手に入れたくて仕方がないものや
数えきれない望みの下で押しつぶされそうになりながら
ただ延々と渦を巻き続ける
わたしはたぶん旅人で
雪を見て無条件に喜びはしゃぐ子供か犬のように
あたらしいことを目にすることに
喜びを感じる ただのたびびと
喉元すぎれば熱さ忘れるって
忘れ過ぎってくらいに
絶望の次の瞬間に手をおおきくひろげてスキップをして
おおきな空から拾い上げてもらい宇宙の一部になって
フワフワまた夢心地に吸い取られる
ただのたびびと
定住するのに憧れ続ける欲望の塊の旅人、
そこにふぶき積もりゆく雪が
あまりに美しいから
わたしをさらっていくのさ。