世の中は祝日らしい。
世の中はどうも祝日らしくて
陽のひかりは眩しい。
ブルーブラックのインクが次第に淡く薄く染まるのを願う。
みにくい感情はあまりいらなくて
美しければ、それでいい。
鳥の声と電車の音が陽の光と交互に挟み合う。
順々にひとつづつ、クリスタルの層みたいに
重なって厚くなればいいんだろう。
空は5月で待ちきれない感情の塊が
ぶつかり合って混ざり合って4月の残り風が横へざっと流す
ベランダにいすを置いて
街の合奏をとりあえず聞くようなかたちで
ずっとずっと育って来た目の前の景色
そしてわさびのきの花の匂いが恋しくて
いったことのない場所が
故郷ということだって
ありうるんだろう
前世の記憶を頼りに、
初夏の、入り口まえにて。
世の中は、もしかして祝日らしい。