誰でもいいから隣に一緒に眠るひとがいて欲しいという 願望は
隣に一緒に眠るひとがいてくれるなら誰でもいいという 願望と
同じようで少し違う
まだ混乱することもある
刻むはずの時が確かに止まった数秒感
静寂と妙な空気はそこに流れゆっくりと触れて
何かが伝わったのかそうではないのか
それはわからない
真っ暗な中手を伸ばしそこにある腕は
私を抱きしめたのか私でないものを抱きしめたのか
弱いようなずるいようなそういう類いの感情は
心の奥底にわからぬよう秘めているだけで
全ての生けしものに精通し存在するのだと
最近は思う
冬の色はただただ感傷的なのは毎年変わらず
またある地点に向かい始めると
後ろから敷いてきた足跡に
まだ見ぬ前に延びる光
その狭間のあたりでいつものとおり
息をひそめる日々なのだった
小刻みに移り変ってゆく映像は
暖かい色に包まれているときもあり
時にはひとりぼっちで暗く寒い印象で
感傷や怖れに打ち勝つことから
初めてゆく
一歩一歩こなしてゆくしか
方法などどこにも無い
とりあえずでも
愛するものが
目の前にあるのならば
なにがなんだかよく判らずとも触れてみる
浮ついたこの心が憎く
愛しくもある
冬
好きな季節。