経験

狡い季節、冬

12/17/2008

誰でもいいから隣に一緒に眠るひとがいて欲しいという 願望は
隣に一緒に眠るひとがいてくれるなら誰でもいいという 願望と
同じようで少し違う
まだ混乱することもある

刻むはずの時が確かに止まった数秒感
静寂と妙な空気はそこに流れゆっくりと触れて
何かが伝わったのかそうではないのか
それはわからない

真っ暗な中手を伸ばしそこにある腕は
私を抱きしめたのか私でないものを抱きしめたのか

 

弱いようなずるいようなそういう類いの感情は
心の奥底にわからぬよう秘めているだけで
全ての生けしものに精通し存在するのだと
最近は思う

冬の色はただただ感傷的なのは毎年変わらず
またある地点に向かい始めると
後ろから敷いてきた足跡に
まだ見ぬ前に延びる光

その狭間のあたりでいつものとおり
息をひそめる日々なのだった

小刻みに移り変ってゆく映像は
暖かい色に包まれているときもあり
時にはひとりぼっちで暗く寒い印象で
感傷や怖れに打ち勝つことから
初めてゆく
一歩一歩こなしてゆくしか
方法などどこにも無い

 

とりあえずでも
愛するものが
目の前にあるのならば
なにがなんだかよく判らずとも触れてみる

 

浮ついたこの心が憎く
愛しくもある

 

好きな季節。

 

 

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