外国での暮らし

ここは、たぶん、ニューヨーク

06/24/2009

ここは、ニューヨークなんだろうと思う。
手を繋いで歩く。
私は、アジア人なんだろうと思う。
日本人と、日本語を話す。
ここは、外国なんだろうと思う。
歌を歌う。たまに英語を話す。
ここは、私の街で、わたしはたぶん、
日本からやってきて、
ここは、アメリカなんだろうと思う。
風を受けて、景色の見渡せる高台まで階段を上がって振り向く。
谷の向こう側には、私が生活するアパートと、並木の緑と、静かに夏をまっている雲間。
私は、昔のようにどこかに飛びたいと思う事はもうなくなって
家族や友人をいまこの場所から感じている。
新しく触れるものは減ってゆき、肌になじむものばかりが増えてゆき、
好きな人々と気ままに会って、好きなものを食べて、眠る。
わたしは、ここに生きていて、あまり難しいことはないように思う。
とても単純で、いいのではないかと思う。
泣いて、笑って、怒って、喜んで、悲しんで、楽しくて、面白い。
ちょっと申し訳ない気もするが、難しいことは他の人に任せることにした。
わたしは、ただ、ここにこうしているだけで、
なんとなくそれだけでいいような気がしている。
スーパーで買物をして、ぐちゃぐちゃに机の上に食べ物をならべて、
だらだらと朝までハナシをする。
気づいたらその辺りで眠り、曇り空の明るくない朝日の中で目覚めて
何度かキスをして、ご飯を炊く。
とても大きなことが変わったようで、何ひとつ変わらないようで、
宝物とかゴミなんてのは、どっちも同じようなものなんではないかと思う。
わたしは日本人で、ここは多分日本のようで、
食べてるものは相変わらずみそ汁とごはんで、毎日は流れてゆく。
大切なものがひとつ増えた気もするし、明日消えてなくなることもきっとある。
なんてことはない。
出会い、近づき、離れ、別れ、また出会い、繰り返す。
わたしは、相変わらずシゴトで疲れてぐったりし、
恋人と同じ電車にのって帰る。
わたしたちは、ここニューヨークに暮らす、ニホンジンな気がしている。
毎日一緒にいたら、喋る量が減った代わりに、
手をつなぐようになっている。

 

 

 

 

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