外国での暮らし 経験

愛逢月

07/04/2009

先月から今月に移り変わる夜
もの凄くびっくりすることを教えてもらった
”びっくりすることを教えてあげよう”と言われ
”なになに??”と飛びつく。
”じゃーん、もう7月だよ。”
わたしはメダマが飛び出るくらい驚いた。
いつのまに。

わたしたちは、駅から手を繋いで歩いていて、
ニューヨークには月があまりいないね、という話をしていた。
月と話をするのは、とても特別だが、
月の話を別の誰かとするのも、またいいものだと思う。
愛するものに、自分も近づいてゆく。
毎日、小さな革命を起こす事を忘れずにゆく。
迷ったら、明日セカイが終わると考える。
すると、絶対に答えはひとつなのだった。

 

当たり前になってゆく日常を、できるだけ洗いたてのシーツみたいにするために
わたしは、此処を外国であると考えてみた。
すると、ひとときひとときは、また刹那として鈍い光を放っていた。

ものすごく、苦しいことが続く日々も、
やっぱり涙が出る程美しい日々も、
何はともあれ真剣だ。

あっという間にすぎていく。
どれほど愛を交わしても、満足することはありえないんだろうと思う。
あっという間にどこかへ辿り着くその日の為に
今をこつこつ貯めている。

満月と、太陽はどうだろうかとぼんやり思っていた。
氷みたいに冷たくて、どこまでもあたたかい熱に触れて眠る。
息が切れるまで、しっぽを振ってついてゆく。
食べたいときに食べて、セックスをする。
よく働いて、よく遊び、起きるまで眠り、泣きたきゃ泣いている。
喉がからからに乾いて夜中に目を覚ます。
土砂降りの雨と夏の晴れ間は交互に訪れている

7月の風も初めて触れるものばかりで
ひんやり爽やかでドロドロに気持が悪く
高架下のトラフィックは、大阪の淀屋橋か上海の静安区を思い出させた。
マンハッタンの空は、濡れに濡れて蒼く暗く、
色んな匂いがする。

愛で、逢う、めであいづき。
なんて艶かしいひと月に入ってしまったことだろう。

 

 

 

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