数ヶ月に一回、こういう気持ちになるときがある。
どうしても、家に帰りたくない、でも世界のどこにも行く場所がない、
甘酸っぱくて 寂しさとはまた違う 感傷の一種
胸の内側が 懐かしさとか 切なさとか 少しだけヒリヒリするような
きもちで溢れかえるような
そんな静かなよる
ひとりでポッカリ抜け落ちた
宇宙のどこか 異次元で
わたしは かたかた キーボードを 打って
ブルックリンのアパートに 帰ろうか 帰るまいか
でも今外に出れば そこはニンゲンのひしめくニューヨークだし
日本が恋しいのかもしれないけど
それとも 何か いつかひとりで訪れた バリの熱帯夜なのか
まだ見ぬ未来の どこかアジアの山奥なのか
そもそも 場所という概念のなかでもなく
時間という概念の狭間にて
チグハグに絡まった
いまこの瞬間と 過去と 未来の 糸のもつれの中で
おなかをすかせている
こういうときは 誰かにピュッと 電話の一本でも入れるか
それとも一人 お気に入りのバーかカフェでもあれば
そこへ行くのかもしれないけれど
そんな気の利いた場所も いつの間にやら持たぬわたしは
この街に住んで気づいたら3年経つけれど
ばらばらに切り離された記憶というものと
思い出と呼ばれるものと その中で 道に迷う
ひとりでいる静けさと 数々の郷愁とともに
いつもわたしはどこかに腰掛けたままでいる