外国での暮らし

恋人と脳みそちゃん

08/03/2012

新しい猫と久々に登場

わたしの恋人は、流暢な日本語を操るアメリカ人で
将来大学教授になるためにせっせと仕事に励んでいる。

 

専門は宗教で、主に日本の仏教にまつわる民俗学について昼夜研究を重ねている。

中でも人に取り憑くという立場の狐の存在や、鬼や河童などの妖怪、
伝統医学などを中心に、朝から晩までせっせと分厚い学術書を読みあさる、
正真正銘、オタクの中のオタクである。

 

 

そんな彼の毎日着ているTシャツは、真っ白で無地でヨレヨレか、
(それは下着か?と以前つっこんだ際に本気でオシャレだと思っていることが発覚)
高校時代から着ている穴のあいた得体のしれぬバンドのやつか、
着すぎて洗濯しすぎて生地が薄く透けているやつか、色あせた亀の絵が書いてある
最高にダサいナントカアクアリウムと書いてあるやつ。(にほん的に言えば、
さいたま水族館か南知多ビーチランドのTシャツ)

その割に、ニューヨークでよくみるI♡NYというTシャツに対しては、
徹底したさげすみの態度を見せることが不可解でならない。

 

よくよく考えてみると、いつか何年か前日記に書いた、電車で見かけた理想の男性は、
”推定68才、色あせたトレーナー(無地)、ポケットには懐中電灯”とあったが
それをゆうに超えている気がした。

ポケットに懐中電灯は入っていないものの、色あせた無地のトレーナーを
超えたレベルのTシャツを日々身にまとう恋人は、未だわたしの憧れの男性であった。

 

日本の大学で教鞭をとりたいという立派な目標の果てに、
日本中を旅して研究するとか、本を出版して有名になるとか、

きっと色々あるのかと思いきや、
本日名古屋の覚王山にあるえいこく屋(紅茶専門店)で
前振りなく、レジの店のおばちゃんに聞き捨てならぬセリフを
吐いていたのを目撃してしまった。

 

「将来大学教授になったら、30g2800円するお茶をたくさん買いにきますっっ」

年寄じみた彼の趣味のひとつである「お茶」を、値段を気にせず買い漁ることが、
当面の彼の夢へのモチベーションを助けているようであった。

 

 

 

 

今日もわたしは、まだまだ向上し続ける日本語の練習台として、

”うるせえんだよクソばばあっ”とか、
”この馬鹿女めがっ”という暴言を

暖かく受け取っている。

 

ちなみに猫の名は、母親がつけた「ひめ」なのだが、彼はひめちゃんのことを

「脳みそちゃん」と呼ぶ。

 

 

 

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