しぜん すきなもの

(過去)猫

12/17/2013

猫がプラスチックの袋をかじる音が聞こえる。

 

猫は、いつも、不機嫌で、
わたしのことが嫌いで、
だっこをすると、ぶふううう、ぶしゅうううと奇声を発し、
顔だろうが何だろうが容赦なしに両手でパンチをする。

 

猫は、寝ているときだけ優しく、
その毛のなかに顔をうずめると、ホコリと陽のひかりが混じった
懐かしい匂いがする。

 

ゲコッゲコッと耳にしたことがかつてない音が、机の下から聞こえる。
プラスチックをかじった猫は、ゲーゲーする。

 

猫は、いい。

猫は、人間用のカニカマと、しらすを贅沢好んで食べ、
カインズホームで売っている4個198円の介護食みたいなドロドロした
ピンクのエサをむさぼり、カニカマ味の猫おやつにかぶりつきすぎて、
食べた側からまたもやゲーゲーしているところを見て驚いた。

 

猫は、よく寝て、よく動いて、たぶん便秘がちだ。

 

わたしが穏やかな気持ちで彼女を見つめようが、
荒々しい不安で溢れそうなときに手を差し伸べようが、
ソファーの背もたれの上のカウンターに姿勢よく腰掛けて
ソファーに座ったわたしの頭めがけて
キレのいいパンチを 右手 左手 また右手

 

猫は、いい
ほんとうに、いい。

 

こちらが悲しかろうが嬉しかろうが、この世の終わりだと嘆いていようが、

 

猫は、
いつでも、
ぜったいに、こちらの機嫌をうかがう事はない

猫だからだ。

 

救われる、その白くてやわらかい胸毛の流れのなかにできる
均一な影に。

 

合掌。

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