経験

(コピペ済)クリスマスのおめでとう

12/25/2013

“life” painted by kouhei nomura

 

お決まりのように年々変化してゆくなかでも、

昨年とその前の年のクリスマスに味わった
嘘くさいほどアメリカらしい経験とは
うってかわって過ごす

今年の暮れについて

 

一年前の自分は想像もしていなかっただろう
サンクスギビングが終わるあたりから、道路脇に
掃いて捨てるようにして並ぶ巨大なもみの木売りも、
雪の降る中家族や友人で集まり、情緒たっぷりに過ごすパーティーも、

お世話になったひとたちに一生懸命選ぶプレゼントも

朝目をさまして、飾り付けられた天井まで届くツリーの元に
家族が集まって包みを開く

サンタクロースとの再会も

今この場所で思い返すと

実際にそんな出来事は
どこにも存在せずに
前世での体験か はたまた映画やドラマで見たか

自分とはとてもとても遠い夢のような非現実に感じる

 

ちょうど日本で感じられる盆や正月の雰囲気を
海外にいると一切感じられないのと同じように

祝日ではないクリスマスもまた
いつも通りの平日が過ぎ去るのを

じっと堪えて待つ、

サンタは来ない、

今年はそういう 年末だ と思っていた。

 

世界のあちらこちらの友達から

クリスマスのメッセージが届いて
こうして
節目節目に大切な人々の存在を改めて感じられることは

世界のどこにいようとも
とてもありがたいと同時に

孤独を際立たせるようでもあったけど

自分のことを思い出してくれる誰かが
そうやってそれぞれに存在を示してくれることは

やっぱり心強い限り

 

わたしにとっての日本のクリスマスは
竹内まりあのケンタッキーのCMソングと

不二屋のペコちゃん

 

それが、本物のもみの木に代わる温もりで

イブの夜、普通のよるごはんのあと、
田県神社の裏手のほうの不二家に
ちいさいホールのショートケーキを買いに行く

 

一緒に祝う相手がいようがいなかろうが、どこにいようが、

こころのなかにそっと火を灯すように
ささやかに祝う

閉店直後のケンタッキーは、客足の途絶えた店のドアをあけて、
ちいさなチキンのセットを売ってくれた。

ぬくぬく喜びいっぱいに、

ケンタッキーの包みを持ち帰り
深夜風呂上がりの母と、猫と、遅いクリスマスのまねごとをする。

 

 

眠って、起きると、わたしのことを思って色をぬってくれたという
「命」の絵が、メールボックスに届いていた。

 

ほんらいやってきて祝福されるはずの存在は
この世に降り立ってから数ヶ月のあいだ
みんなに喜んでもらうことができないまま来た

 

あるべきかたち、望むかたちで迎えてあげられなかったこと

わたしやお腹のなかの命だけではなくて
わたしのまわりにいるたくさんのひとを
傷つけたり 迷惑をかけてしまって
手放しに喜ぶこともできずに
その現実を

なかなかまるごと受け止められずに来てしまったけれど
わたしのきもちなどおかまいなしに

腹のなかの生物は細胞分裂を繰り返し
きっとこれもまた
なにもかも意味があって起こったのだろうと

徐々にネガティブを喜びに向けてゆく年の暮れ

 

どんな状況であろうとも、
おなかに宿った神聖な命が尊すぎるものであるには違いなく
その送られた絵のタイトルが

「omedetou!」となっていて

 

「色をぬりながら命って言葉が何度も浮かんできて
なんだかホロッと涙がでてきそうになって
それからうれしい気持ちがわいてきた」

とメッセージに書いてあったことに

 

クリスマス
目をさましたら
小さないのちにも、ちゃんとサンタがやってきたのだと
そう思ってなんだか涙がでてきそうになって、
それからうれしい気持ちがわいてきたのは、

わたしのほうだった。

 

わたしはクリスチャンでも何でもないけれど
年の瀬にむかって

厳しく深まってゆく冷たい季節に反してゆくように
世界が優しさと暖かさに包まれてゆく

その一年のうちの特別な短いときに
クリスマスという魔法が
世界中に幸せのきらきらした粉をまき散らせばいいなあとおもう

 

大好きなひとたちが
みんなみんな、
いつまでも

しあわせなクリスマスを過ごしていけますように。

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