あの本の結末はどうなったんだっけかとか
その映画の主人公はさいご最後幸せになったんだっけかとか
なんだか思いだせない事がおおすぎて
そして思いだせない事がふえつづけてゆく日々
季節感を完全に見失った7月のある日
木枯らしの吹く南半球にて
目を閉じて
何か忘れてしまった大切なことに
想いを馳せる
しあわせな午後
だいすきなひとびとの顔を描きながら
タビを続けていると
ふと小さいニンゲンがビクッと動く
大きいニンゲンのわたしもまた
ビクッとつられて目を開ける
鏡越しに映る 窓の外には
冬の
淡いブルーな空と
夕方の西日に方側が金色に染まる
レモンツリー
こちらでは
確か太陽は西から昇るのかもしれなかったから
もしかしたら東から照る陽
おもいだせないことのひとつ
約4週間がたちました、
ひとりが、分裂し、ふたつになって。