夢見てきた魔法が
すこしづつ使えるようになってきて
わたしは裏山に来たのだ
裏山なんてドラえもんのセカイにしかないと思っていたのに
うちのすぐ裏っかわは山だった
裏山に、もそ君の真似をして
わたしは穴をほる。
いつでもどこでも穴ほりが趣味だったもそ君みたく
スコップなんてもってないから
おたまの柄でがりがりするのさ
穴なんてほった記憶は思い出しても見当たらないし
がりがり、もくもくわたしは脇目もふらずに穴をほっていた
どのくらいの穴?よくわからなくて
ほってもほっても穴は何だか浅いばかりで
腕ががちがちになっても目の前がかすみはじめても
わたしはほり続けた
穴を掘るのには確かに夢やロマンがあるのかもしれないと
ドラえもんの裏山を思い出しながら
何だかよくわからなくて、
ただよくわからなくて頭のなかは混乱する
固い裏山の奥の上の方の固い土は
ほってみると宝の山どころか太い木の根っこで埋め尽くされていて
よくわからないままの、初めての穴堀は正しい場所なのかとか
高いところまで上ってみたのは
よく風景がみえるように彼が絶対に退屈しないよう
お日様の陽をたくさん浴びて夜は静かなように
大きな木の脇のしたにしたのは
そう
迷子になっても今度こそ帰ってこれるように
そして土を堀ったのは
いつでもどこでも穴堀を愛するもそ君のために
もそ君はハンモックの上でいつでもポピーと
まんまるくなって寝るもんだからかわいいのなんのって
でもこれからは
ピッタリサイズになった
私お手製穴のベッドで
泥だらけになってモソ君は眠るんだ
永遠に
涙と鼻水と泥でぐちゃぐちゃになったわたしが
ゆっくりと乾きはじめて
きちんとお別れをするために
魔法使いの穴堀の日
木漏れ日の隙間
大きな木の下から
ひこうきぐもをみる。
また遊ぼうね、もそ君
おやすみなさい。
わたしのところに来てくれて、ありがとう。
(飼っていたフェレットが死んだ日)
2008年5月10日の日記より
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