帰る、場所が
欲しかった
安心して
いつも
よりどころにできる場所
家族に、
憧れた
それがあれば
安心して
いられると
そう思ったから
わたしには、
帰る場所など
最初からなくて、
本当に最初の最初から
そんなものはなくて
家族など、
最初からなくて、
本当に最初から
そんなものはなくて
ひとりだったことに気づかずに
この先もずっと
ひとりであることに気づかずに
帰る場所や
家族を求めつづけてきたことに
やっと
気づいたとき
わたしは、
泣かなかった。
ああ、
最初から何もそこにはなかったのに
気づいていなかった
そう思った。
おかえりなさいという言葉が、
欲しかった
いつも
本当の意味で
本当に深い愛の中で
絶対に守られている感覚の中で
おかえりなさいと言われたり
言ったりすることは
きっとこれまで、
なかったのかもしれないと
そう思う。
ひとつの、孤独をうけいれたとき
わたしは、
ひとりなのだと
気づいたとき
そして
自分がいる場所がいつも
迎え入れる、
場所になった
”おかえりなさい”
わたしがほしかったもの
それは
いま、
ここにある。
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