二本の腕を無くしたわたしは、それを地上に落とす。
そのひとは、わたしが生まれて初めて永遠の愛を誓った、たったひとりのひとだった。最初で最後の、恋の相手。もう二度と、同じように誰かをここまで好きで、好きで、好きで、好きで、自分の全てを失ったとしても構わないと思えるくらい、好きになることはきっとないと、そう思う。2本の腕は、そのひとの側にあった。
そのひとは、わたしがたったひとり唯一永遠の愛を誓ったそのひととの間に、静かに入ってこう言った。もう二度と、2人の間に失われるものはないから、その代わり、忘れろと。わたしの腕を黙って引き継いで、二本をわたしのもとに返して、その手を握る。
もうひとり、失くした手を捜すのを手伝ってくれたひとがいた。そのひとは、わたしも失くした手のことを、誰よりよく知っていて、それを斬られた理由のことも、よく知っていた。
つづく。
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