手放すことを決めた、そのたったひとつの彼からの永遠の愛を、手の中で二つに分かち合う。
請け負い人の手に半分、わたしの手に半分、入ってゆく。
かけがえのない唯一のたからものを、なぜ別のひとと分かち合わなければいけないのかと、わたしは泣きじゃくったままそれをした。
崩れ落ちるわたしに、なんとか強く励ますように、
「この手に入ったら、もう二度と、アイツからの永遠の愛は失われないから」
と請負人は言った。それでも、どうかその愛が二人の手に入らずに、そのままであってほしいと悲願するわたしに、被せるようにして請負人の声が響く。
「だから」
「忘れろ。」。
請け負い人は、Xと名がついたままのそれを、ただ黙って引き受けて、そのまま力尽きるまで泣き崩れた、わたしの身体を支えた。
○
終わったあとに、なにが、それほどに悲しいのかと天の声が鳴って、わたしは最後の力を振り絞って泣き叫んだ。
「どうして、ただこんなにも、強く愛し合っている二人が、その永遠を分かち合えないの」
「どうしてその二人じゃないの」
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手の中に、彼の愛を半分づつ分かち合ったときの、心からの請負人の深い愛、「忘れろ。」を描いてみる。
なんとなく、請負人に甘えきってみて、半分よりも少し多めに持っていてもらうことにした。
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