グジュグジュ鬱蒼とした緑の匂いは、爽やかではないけどそれなりに情緒があるとおもう。
シングルマザーのデートの、朝帰りの道すがらだったらそれは尚更。
なんとなく、今さら自分の身の上をシングルマザーと書いてみたけど、普段意識をすることのない、子育てと恋と仕事が別々のラインで安定してなりたっている今の状況は、もしかしたらわたしが想像しているよりは普通のことじゃないのかもしれないとおもったから。
あとは、今回はじめて長くつきあっている彼に、真正面から
「これからわたしは、家族を作るから。」
と宣言してきたこともある。
残念ながら相手はまだ妄想内のみで、現実に相手はいないけれど、とにかく正直に、一途にあなたを思ってきたところから、脱皮しますよと声高らかに言えたことは、
わたしを腕の中に抱えて死ぬほど嫌な顔をした彼の言葉をまるごと含めても、革命的だったのだった。
すると、これまでパートナーと呼べる相手は常に恋愛の相手を指していたのが、たとえば子育てにおけるパートナーであるとか、しごとにおけるパートナー、のような、同時にパートナーシップが進行するということが意識上に登ってきて、そういうときに自分には結婚相手はいないが、恋は順風満帆で、「シングルマザーの朝帰り」という設定で歩いてみたくなったのだった。
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