彼は、すごく悲しかったみたいだった。
それがわかったのは、別れてずっとずっとあとになってからのことだった。
気丈で、明るかった。
いつも安定していて、わたしが常にボロボロでも、
彼だけはいつも、しっかりと立って、そこに笑っていて、
なんでもないように見えたから。
男の人は、みんなそうなのかな。
彼女や奥さんに、そういう悲しいとか寂しいことは言わずにみんな、
生きてるんだろうか?
もし一ミリでもわたしがそれを感じ取れていたとしたら、
わたしはまだその場所にいて、そしてもう少しは
しっかり立とうと
強くあれたのかもしれない。
わたしがその家を出て、中途半端なデートをしながら
しごとを転々として、ようやく独りで過ごすことに慣れたころ
彼はわたしに結婚しようかと確かにいった。
わたしの心はもう彼のもとには無くて、
わたしは彼のもとにはもう戻らなくて、
そして、彼から
どれくらい今悲しいかというメッセージが
とても陽気な文章とともに、届いていた。
その寂しさと痛みが
痛々しいほどに伝わってくる、明るいメール
男の人は、やさしくて、愛に満ちていて、
そして、バカで、愛おしい
わたしがもっと大人で彼らに依存しなかったとしたらきっと
彼らはもっと、幸せだったんだろうとそうおもうけど
わたしがどこまでも寄りかかってきたから
だからきっと愛されたのかもしれない。
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