冬に近づく。
吐く息はいつのまにか白く
ぐっと心を静にせざるを得なくなる。
無に、真に、透明に近づけば近づくほどみえるものはあって
さすがに冬という季節がもつ
計り知れない神々しい深みと高みに圧倒されてしまう。
わたしはその前でこうして足を踏ん張って
「お願いだから」とひれ伏して
どうかわたしをその真っ白な流れのなかに
くわえてもらえるように
身を任せてやっとの思いで
その季節の
ちいさな一部となる
わたしができること。
ただ
ここに
こうして
いきること。
2006年11月7日 フランスにて