烙印みたいな、身体中に幸せだと彫って
二度とそれが消えない魔法のこと
型抜きみたいな、刻印みたいな、もう二度と、あなたは苦しみませんよ
って
そういうのを押せたら。
Rさんが言ってた。
死んだ子供を前に、そのときに、幸せになる覚悟を決めたと。
Cさんもそう言ってた。
カッコよくて背が高くてステキな彼が、たくさんのものを抱えながら
ちはるさんのことを心から愛してくれたときに、前向きに生きることを人生の中で決めたのだと。
わたしはじゃあ、誰のために
最後の幸せの烙印を自分の身体に刻めるのか。
誰かが自分を幸せにしてくれるのを待つんじゃなくて
誰かのために
自分が幸せになることを決めるとき
その烙印はなんか
酷く痛いから、もう逃げたいと思うけど
その入り口にしか
きっと未来は落ちてない。
わたしは一生不幸が良かった。
それは楽だったから。
彼はなにもしないし何も言わないのに、まほうつかいみたいにわたしをどんどん変えていく。
タオくんがそれを助けてくれる。
ユキちゃんに、何度死ぬんですか?と訊かれた。
これが最後だ。
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