わたしはフランス人のような、おしゃべりな男が嫌いだった。
わたしはアメリカ人のような、ジョークのつまらない男が嫌いだった。
わたしはイタリア人のような、おしゃれな男が大嫌いだった。
わたしは日本人のような、チビの男が嫌いだった。
わたしは自分の顔と同じような、大きな目をした男が大嫌いだった。
人生とは不思議なものである。
ある日、わたしの嫌いを集結させたような男についに訊ねた。
「それで、君は、何人なの?」
「僕は、宇宙人と言われている」
そう答えが返ってきたとき、
そういえば、わたしはジョークがつまらない男が嫌いだったよなァ
と思い出してそのまま無視をしたんだけど、
嫌いだった要素がぜんぶ好きに代わることって
ほんとうにあるんだなあって思った。
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