しばらく集中的に泣いたが、書くことをもういちど始めようとおもうための儀式のようなものだ。それはたまらなく怖くて怖くて死にそうになったけれど、ひとつひとつ、書くことについて、手が止まる理由を並べてみて、その右にひとつひとつ、確認のように大丈夫な理由をかいてみた。
それはすべて、これまでなんどもしっぱいしてきたからがゆえの、またここでダメだったらもう立ち直れないという恐怖。
それでも書くしかない。
それだけがわかる。
ただ、書くしか道は残されていないということ。
残りの、有限の人生。
それは、生きること。
食べることと、癒すことと、書くことが、わたしが生きているということと同義語にあたっていて、それぞれに苦しみ抜いてきた。
食べることの苦しみはいつか、終わり、癒すことへの苦しみもまた、ほとんど終わり、ついに最後、これまで経験してきた全てを書き記していくための旅が始まるのだとおもう。
それは息を吸って吐くようにそこに常にあり、それと対峙することはいつだって終わりなき闇の中に放り込まれる恐怖だった。
すべて、嫌だろうが何だろうが苦しかろうが地獄だろうが
それは自分に課された課題であって、ずっと、きっと、つづいていく。
これが終われば、心置きなく死ねる。
本をしばらく何冊か読んだ。
書くために必要そうなものだった。
それでわたしはもう一度書くことを始める。
絵とか香りとか店とかモデルとかに支えてもらう。
本当は、家族に支えてほしかった。
いまは自分で自分を保つしかない。
書くことに、いちど身を委ねてみる。
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