見透かされたように独りで、惨めだった。
でもひとが自分のことを尊敬しているのも知っていて、さらに惨めだっt。
いつかの名残。
終わりにしていい。
自分を責めなくていい。
そのピアノに感動した彼のピアノもまた、純粋無垢でたまらなく優しい音色をしていたから
わたしは思わずその背丈に背伸びして、彼の唇に軽いキスをしたのだった。
もう今のような長く冷たく暗く日々には
うんざりするような
優しい一コマだった。
誰かがわたしを好きでいてくれる
その軽い温かさが
とても懐かしく
優しく
嬉しかった。
手を繋いで
ただ何も考えず
尊敬され
守られるのもきっと
悪くない。