一緒に住むことへの執着というよりは、自分の意志が完全に消されてしまうことへの、権利とか人権への過剰な反応だった。
それは当然のことで、エゴが極限にまで減ってしまったときに、自分がどうしたいかなんて無くなるワンネスの中でわたしは生きていたし、そのときに相手のエゴに自分を踏み躙られることを続けてきたせいで、ズタズタになって当然だった。
自分が住む場所、結婚、そういうのを、あんちゃんはちゃんと叶えてくれたから、わたしはここまで路頭に迷わずに済んだけど、潤は違った。
最後まで、私の望みを叶えなかった潤のおかげで、わたしは最後、ちゃんと自分が自分を守らなければ、エゴを身につけなければ。という意識に変わったと思う。
そして、それが潤以外の誰かであったら、どうでもいい誰かのために、愛よりエゴを身につけるなんて、やることもきっとできなかった。
不思議だけど、ちゃんと導かれているというか、必要なことを身につけさせてくれるのは、この人でなければできなかったことだろう。
IKEAの車の中で、aikoの相思相愛が流れたとき、真さんの顔が浮かんだ。
最後にすべてを捨てて、潤と一緒になるために、「もう2度と連絡しないで」と、優しくしてくれた真さんを切り捨てた日。わたしは死のうとしていた。
本当は、自分が選んだ愛の道で、幸せになったよと、心からそう思えたときに、ちゃんと報告をしたかったのに、最後わたしが選んだ道は、たったひとりで誰も頼るひとのいない場所に、子供を連れて引っ越すということだった。
それがなんだか笑えたし、嬉しかったし、わたしは本当に自立したんだとそう感じて、何にも恥じることなく、潤の近くに住むことを選んだことを、真さんに話せそうな気がした。
またいつか、彼に会える日がやってくるのだとしたら、それはわたしが仕事で世間に認められた時だけで、それをしない限り、わたしたちには会う理由は無い。
でも、真さんは、どんなわたしでも関係なく、愛してくれる。
そして、今世、わたしはツインの潤と生きることを決めて、そこには確約も言葉も助けも一緒に住むことも結婚も付き合うことさえも、なにひとつ存在しない関係の上の
目に見えぬ、誰にも信じてもらえない愛のことを、ただ自分ひとりだけが信じ、そこに住むことを選べたことは、
きっと
真さんにとって、わたしらしい道だと、まいらしくていいんじゃないと言う道なんだと思う。
そして、来世はもう少しなんか、近くにいられる関係に生まれたいと伝えたい。
結婚相手とかじゃなくていい。もう少しなんか、仕事のパートナーとか、助手とか、ずっと長い時間一緒にいられて、彼の使命のような生きる道を支える関係がいい。
それかチームの中の信頼できる同僚とかでいい。
ただわたしも、毎日真さんの顔を見て過ごす時間がずっと持てるような
そういう関係でいたいと。
この世界に、そんなふうに感じられるひとがいてくれることが、奇跡で、ありがたく、であってくれてありがとうとそう思う。
北大のTシャツを着ている若者が長久手のIKEAにいて、おかしくて笑ったけど、713の番号が出るたびにスルーして、スルーして、このさきはどうなるのか本当にわからないけど、
すべての愛を蹴ってたったひとり、生きる道を選んだ自分のことを今日はただ、誇りにおもって大事に感謝したい。
そしてまたいつか、真さんに手紙をかけるような、そんなタイミングが来ますように。
本当に、感謝のきもちや、役に立ちたかったことや、関係を続けたかったことや、それが英語のレッスンでもなんでもよくて、つながっていたかったこと
それでもあの時は、どうしても辛く苦しく、自分の生命をつなぐことが必要だったこと
わかってもらえなくても良くて
ただ、713や北大の若者は、わたしに「真さんから愛が届いてるよ」のサインだってことをただ、感謝して受け取ればいい
自分は、誰にも必要とされてないとそう思い続けて
りゅうじにも 真さんにも タオ君にも 潤にも
結局わたしはさいごまで
必要とされなかったけど
それでいい
きっと、わたしは必要とはされなかったかもしれないけど
ちゃんと、ちゃんと
愛されてた
それだけは、わかるから
自分は、自分の生きたい場所で生きる。
自分は、自分の行きたい場所に行く。
自分は、自分の生きたいように、今世は生きることを、決めたんだ。
それでいい。