今日また物件がダメになって、一度沈没したけど、まずは他にも選択肢があることを一緒に確かめた。井ノ口に住むことができなくても、近くの物件はいくつもある。焦らずに、自分の望みを自分の意思で叶えてくこと。
そして、悲しみと痛みを手放していこうと過去に見送ると、踏み躙られた自分の意思や希望への悲しみが石像が崩れて風に砂となって飛んでゆくように、跡形もなく消えていった。
苦しくて、怖くて、真っ暗だったこの数年
潤のことをずっと待ち続けて、結局最後まで苦しい時間を
どんなふうに過ごすか
ただ何もせずに苦しむか、前を向いて自分で切り開いてゆくか、こころ先生やピンかさんの言葉を頼りに、進んでく
仲間には、タオくんがいてくれる
石像がすべて崩れて飛んだあと
中から出てきたのは、真っ白く半透明の、骨のような、セラミックというか歯のような素材の、剣のようなものだった。といってもある程度の太さがあって、下は15センチ弱、上に一メートルくらいで細長くなっていた。
それがなにかを見てゆくと、わたしが持ち続けた「意思」だった。
自分には、ちゃんと意思があった。いつしかもうこの世界には何を望んでも無駄だと悟って全てを捨てて諦めて手放して、望んでもうまくいかなくてを繰り返し絶望したこと
そして自己犠牲の石像の中に埋まったその芯は、まだ生きていた。
青白く光、蛍光のネオンライトみたいにグリーンにじんわり光り、まさに神器のような 神様が宿っているようなそんな雰囲気だった。触ったらひんやりしそうで、でも触れてはいけないような神聖なもののような気がした。まわりを腕で囲んで近づいて寝転んだ。
涙が溢れるほどにそれは美しく、自分の中にあったそれはそれは眠っていた意思を、大切に思い出せた時間だった。
そこには、山梨に行くということや、仕事をするということ、潤の子供を産むということが含まれている。
誰にも壊すことはできない意思だ。
美しくて、凛としていて、誰にも邪魔ができない真っ白な聖なる石だ。
わたしはこれと共に、生きてゆく
あの歪んだ捻れたエネルギーに触れるときの恐怖と苦しみ
わたしにはもう関係なくなる。
明るい場所で、わたしは生きていく。