一〇〇〇回のキスを

10/30/2007

たまにはそう
エッチな気分になるときもあって

 

たまにはそう
エッチな気分になるときもあって
そんなときはめをとじて
恋しいあなたの首から腰のあたりまで
つうっと身体の輪郭をひとさしゆびで辿ってみたりして
うつくしいあなたのその手が
くうきを挟んだごとくやさしくやさしくわたしのせなかを包む

 

ひとのからだっていうのは
こんなにも混じりけなしにピュアで
こんなにも心地がよいものだったのかと
おしえてくれたのはあなたで
ヒトの波のなかはじめてふたり並んであるいたそのとき
ふっとわたしの腕にふれた瞬間
ぞくっとするほどかすかでそしてやわらかい感触が
印象的だったのをよくおぼえている
まだあなたのことをなにひとつ知る前のはなし

 

あなたがわたしのからだにふれるとき
それはくものなかをふわふわういている綿菓子くらいに
あまあまでそれはそれはゆめごこち

 

おとこのひととおんなのひとが一緒にねむること
長い間わたしはそれを
あまりきれいなものではない気がしていて
なんだかそこにはけっして明るみに曝してはいけないような
さまざまなものが存在して
悲しみとか罪がかさなってゆくことばかりおそれてきた気がするけれど
それをあなたはひっくりかえして
わたしにぴかぴかで
とてもうつくしい自然のなかの原理と
どれくらいに神聖なものかってことに気づかせてくれた

 

あなたがまたいなくなって何日かたって
わたしはひとりでベッドに眠り
よく眠れない日はキッチンのソファーでぼんやりすごしたり
そうたまにエッチな気分になるときもあって

 

そんなときはめをとじて
恋しいあなたのすべてを
あたまのてっぺんからつまさきまで想像して
つうっと指でなぞったあとは

ゆめのなかで気がすむまでやさしく触れてもらうわ

 

1000回のキスを、

 

今夜も。

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