その「愛してるよ」が
いつか簡単に飛び交ったところからの
絞り出すようにしてかけた朝
ふたりの間に隔たる大きな壁は
わたしたちが創ったものだけじゃなくて
ふたりそれぞれが、歩んできた道で
積み上げたもの
その壁を
ひとつ、ひとつ崩していく旅
あなたのその手をもう一度、取るために
その「愛してるよ」で、世界の隅々まで光が行き渡るように潤って
その、震えた優しい声で
わたしのおぼつかない足場が
どこまでも平たく、安心した場所へと塗りかわってゆくように
その「愛してるよ」に
どれだけ勇気がいったか、どれくらいに特別か
わたしには、わかるから
だから今日も、前に進むよ