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外国での暮らし

ひとめぼれってやつ

年下で、綺麗な顔をした、小柄な男の子だった。 まっすぐな目をして、”日本で、教えたいんだ”と言い放った彼は まだ なんていうか とても未完成な繊細さを持ち合わせているにもかかわらず 例えば大乗仏教のお経の話を 興奮しながら話すときはもう既に教授の顔で わたしは ああ こういう人が教える為に 生まれてきた人なんだろうと 思った   彼はレイバンの細長い四角のフレームの眼鏡が 本当によく似合 […]…

09/19/2011

愛してると言わせてくれるひと

”愛してると言わせてくれて愛してると言ってもらえて、こりゃまたがんばれるな。”   恋人でない誰かからの電話で、目が覚める、遅めの朝。 恋人でない誰かに抱きしめられて、戸惑うことがある。 恋人でない誰かに手をつながれて、切なくなることがある。 恋人でない誰かに、もしかしたら、愛してると言われることも、あるかもしれない。 その時々によって、嬉しかったり、悲しかったり、するかもしれない。 & […]…

08/16/2011
外国での暮らし

夏の夜・ふたりぼっち

  ひとは、確かにもともと1人で、孤独で 誰かに何かを求めても決して幸せになれるわけはなく 外に求めるものなど実際にはなく 全ては内に存在するのであることはもう重々わかっている。   それ以上でも、それ以下でもなくて ようやく最近自分のことや周りにいるひとびとのこと ひとりで過ごす時間をいとおしむことができるようになったのは すばらしきかなー進歩なのだ。   &nbs […]…

08/06/2011
外国での暮らし

鳥の巣みたい

  イタリア人は独特の感覚がある。イタリア人全般なのか、 その恋人がそうだったのかはわからない。   イタリア人と付き合ったのは その人が最初で最期だったから。 前にふとんの中でまるくなっていたら かわいいね、うさぎみたいだよ、といわれる代わりに ”鳥の巣みたいだよ、かわいい!”と言われた。 (え、鳥の巣?小鳥じゃなくて?) 白の帽子とコートにグレーのマフラー、黒のブーツで来た […]…

02/10/2011
外国での暮らし 経験

ニューヨークで育つ

年末に日本へ帰り、またnyに戻って、一週間が経った。 降ったり止んだりしている雪。 白いセントラルパークは、静か。     わたしは始めたばかりの仕事にすぐ根をあげた。 新しくオープンするveganの店の、マネージャーだった。   ”うまくいかなかったよ。やめることにしたよ。” と恋人に報告した。   わたしは彼がどんな人間か、だいたいわかるのは わたしと同 […]…

01/23/2011

恋する死に際

誰かの肌にふれた夢のような夜のことは、 幻だったのかもしれないといつも思う。     このからだに感触が刻まれているのは、 ほんの一日か二日で、 それ以上経ってしまえば何事もなかったかのように過ぎてゆく。 確かなものなどどこにもない。 そして、そのうちまた幻のような夜に酔いしれて、 浸かって融けて キスの海に溺れて 消えてなくなるのだ。 そんな風に死ねたら本望だよな。 &nbs […]…

11/05/2010