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経験

月曜日に似ている、恋の無い安息日

ニューヨーク、時々元恋人   恋と恋の狭間にいる自分が、とても好きだ。 それはほとんど恋しか知らない自分が、何かに本当に打ち込んでいるときにだけ 稀に偶然起こる、砂の中に混じった砂金みたいに 凛と目立つ。 淡々としていて、冷たくて、それでいて、恋を追いかけているその感じ。 ちょうどそれは、月曜日に似ている感じがする。    …

02/19/2019

かんざしって、知ってる? いまどきの髪が長い人は、どうしてるのか知らないけれど 一本の棒みたいなものだけで 髪をまとめるの   くるくる、きゅって 長い髪が上にあがって、   その棒をすっと抜くと、やわらかくウェーブした髪が 下にすべて、降りるのよ。   髪が短くなってから出会ったあなた 今出会ったから、良かったって きっともっと前だったら、惹かれなかったって 言った […]…

02/15/2019

あの日のタクシーのにおい

あの日のったぎゅうぎゅうづめのタクシーのことは、よく覚えてる。 確か、横にブライアンが乗っていて、反対の横にはもうひとり手伝いにきてくれた誰かが乗っていて、 その足で新しいアパートに行ったんだった。 ブライアンはそのまま自分の国へ行ったんだっけ? 一回くらいスウェーデンに行っても良かったかなって思ったけど そのときは、セックスを一生し続けられる相手が良かったのよね。 一回だけ抱かれてみたけど、あん […]…

02/15/2019

拭って猫パンチ

いつか 永遠を探してたあのころ そのひとがふいに、それを誓ったことがきっかけだった   それからわたしはいろんなひとに、 「永遠」てほんとうにあるの?ときいたし それを延々、さがしつづけたわけだけど     それは最後、どこにもないことが わかって そして同時に、それはずっと失われることなくあることが わかって   わたしはそれからも、きっとずっと その人の […]…

11/26/2018
外国での暮らし

4次元 “Let’s Get Lost” by chet baker

だからいつでもそんな気分になるのは、仕方がないことだっていうのを、 いい加減知らなければいけない。 イタリア人の彼と、クイーンズボロのアパートの窓から見たあの煌々とした明け方の月を、忘れることができないまま、 私は、またタイムトラベルに出たまま永遠に道に迷うのだ。   空の上で、いったりきたりする時間を早送りしたり巻き戻りしたりしながら 到着したのは自分の生まれ育った国だった。 でも、わ […]…

10/07/2018

ヒルサイドアヴェニュー

彼は、すごく悲しかったみたいだった。 それがわかったのは、別れてずっとずっとあとになってからのことだった。 気丈で、明るかった。 いつも安定していて、わたしが常にボロボロでも、 彼だけはいつも、しっかりと立って、そこに笑っていて、 なんでもないように見えたから。 男の人は、みんなそうなのかな。 彼女や奥さんに、そういう悲しいとか寂しいことは言わずにみんな、 生きてるんだろうか?   もし […]…

08/30/2018