数ヶ月に一回、こういう気持ちになるときがある。 どうしても、家に帰りたくない、でも世界のどこにも行く場所がない、 甘酸っぱくて 寂しさとはまた違う 感傷の一種 胸の内側が 懐かしさとか 切なさとか 少しだけヒリヒリするような きもちで溢れかえるような そんな静かなよる ひとりでポッカリ抜け落ちた 宇宙のどこか 異次元で わたしは かたかた キーボードを 打って ブルックリンのアパートに 帰ろうか […]…
雨続きのニューヨーク、てるてる坊主は 土砂降りの日、一生懸命働いている。 土曜の午後に、眠りに落ちて、おかげでやってきた夜は目が冴え冴え 久しぶりに夜明けの瞬間に出くわした 薄暗いなかで 瑞々しい雨間の 寒くもない 暑くもない温度の下 一寸刻みに空は白んでゆき 幽かな鳥の鳴き声が添えられる その静けさは いつか遥か昔に見聞きしたことのあるような情景でもあり まだ一度も踏み入れたことのない憧憬そのも […]…
例えばこんな 今にも雨が降りそうな朝がやってきて 目を覚まして 重いからだを起こすとき 昨日 生きていた中で最も嬉しいような出来事があったとしても 昨日 生きていた中で最も悲しいような出来事があったとしても 今ここに降り落ちたその静かなひとりの朝は ニュートラル極まりなくて その分け隔てのない公平性は ある意味ショッキングでもあり 何事をも丸ごと流していくその茫々たる不思議な時間の推移は 大切なこ […]…
