丸ごと 街ごと あっとも言わぬ間に 枯れゆく世界 わたしは 刻々と 色彩を失ってゆく その小宇宙の 細い割れ目に沿って 今日もかろうじて 息をしながら 歩いている 瞬く間に 締めくくろうとしている 神無月は わたしを 置き去りにしようと もくろんでいるのか 果たして 無事にその スピードに ついてゆき 今年を無事 結ぶことが出来るのか 早早に その年末に向かう透明な入り口にて わたしは孤高な緊迫感 […]…
やっぱり、季節は巡ってゆく。 どうして、季節という輩は、年に4回、もれなく私の肩を叩き いつだって同じように通り過ぎてゆくのに、未だに飽きさせることなく 新しい気付きを次々と落としてゆくのだろうかと 思う その 窓から見える色彩が 変わってゆくときに ああ、 時が、 経っている と 当たり前には違いないのだが、わたし必ず歩みを一度止めて、 そして かすかな風の流れを もう一度確認する […]…
雨続きのニューヨーク、てるてる坊主は 土砂降りの日、一生懸命働いている。 土曜の午後に、眠りに落ちて、おかげでやってきた夜は目が冴え冴え 久しぶりに夜明けの瞬間に出くわした 薄暗いなかで 瑞々しい雨間の 寒くもない 暑くもない温度の下 一寸刻みに空は白んでゆき 幽かな鳥の鳴き声が添えられる その静けさは いつか遥か昔に見聞きしたことのあるような情景でもあり まだ一度も踏み入れたことのない憧憬そのも […]…