少し遅れて3度目の、夏が来た。 ニューヨークの冬は、合計4回経験したが、決して慣れることはなく いつでも容赦ない厳しさをわたしに見せた。 今年の冬は雪もとても多く、刺すような寒さも一入(ひとしお)で 永遠に続くのではないだろうか思うほどの暗さの中を低い場所で彷徨った。 それでも、やっとこさ訪れたこの初夏の清々しい空の下を歩くと 世界全体が宇宙より祝福を受けているようで ああニューヨークに住んで本当 […]…
ここんとこしばらく世捨て人のように 世界からちょっと切り離されたとこにいます。 ある意味新しい環境は 外国にはじめて来てまったく友達もいないところから スタートしたようなちょっぴりそんな感じ ニューヨークという場所に関して言えば、 ほとんど慣れて日々の暮らしは 当たり前のように流れていき、 びっくりするような出来事もわくわくする […]…
どれほど惨めで孤独で繰り返し傷ついても、 死んだような感情を抱えてぎりぎりの淵を ただ生きるしかないことを知っている。 わたしはもう、自分の人生に満足しきったような幻想のなかで 疲れきっていて、いつでも一日の終わりのような気持ちでいた。 厳しく尖った寒さはいつしかようやく丸みを帯びて そんな優しさを含んだ冷たい風が強く吹き付ける美しい雨月夜 だれかがこうして隣にいてくれるということに 美しい景色と […]…