外国での暮らし 経験 狭間 期間の決まっていない長期休暇をとった理由 死んだように眠って丸二日間が経っていた ワッヅワースの住所に同時に届いた3通の手紙 声をあげて泣いても泣いても体中の水分が飛びきるくらい泣いても 涙がとまらない理由もどこにも見当たらない 狭間は、とても、意味ありげに見える 好きなことを数える。 数えきれぬほどの好きなことは、世界中に溢れている。 どれも、手放す理由が、見当たらないだけだ。 狭間には、いつも […]… 09/11/2009
ひとりごと 外国での暮らし 夏、終わり 正直に言ってしまえば、うしろめたいこともまだ山ほどで、 正直に感じてしまえば、そうあらわになってしまう奥底のこころ 怖くてずるさを隠して何も知らぬふりをして 私にはうまれたときからきっと大きな穴があいていて それをいまだに埋められずにいる 秋の風は全部答えをしっている。 夕立はもの凄い音と光と勢いとスピードで街中の熱を奪い去った 風は吹き抜けて夏は飛んだ 吐き気のするような蒸し暑さは […]… 08/22/2009
外国での暮らし 世界中の全員死ぬ日 無秩序な美しさも、確かにあるとは思う。 段階的に感じられる推移は、肌に馴染み季節というものを 殊に感じさせてはくれるけれど、ともかくランダムにやってくる一日一日の変化に いちいち反応しては、噛み締める。 むせかえる程の熱を抱えた夜の24時間後には あの独特の切なさを漂わせる肌寒い夜の匂いを嗅ぐとか。 世界中の全員を、好きで居たいと強く思う日が続くなかで、 世界中の全員死ねばいいのにと思う日も月に一 […]… 08/13/2009
外国での暮らし 恋 手ぶらのふたり 「なんも、ない。」 「どこも、行きたくない。」 それが答えだった。 本当に不思議なもので。 手放せば、手放す程、何もいらないと思えば思う程、 手のなかにあるものは広がり大きく豊かに膨らんでゆく。 わたしたちは今、無限に続く海の上にいて、あっちには昇る朝日とそっちには沈む夕陽。 行き先は、言うまでもなく決まっておらず、怖い事は、ひとつもない。 何故かというと、わたしたちに […]… 07/31/2009
台所 外国での暮らし シゴト場 今夜の登場人物 イオリ… モデルかバレリーナかという美貌の持ち主。 クールでプライベートは詳細不明。週1でウェイトレスにやってくる。 ローランド…メキシカン親子で長年この店に勤める息子のほう。 マイが出勤する度に口説いている。 最近太郎とマイの関係がやたら気になっている。昔は痩せていたらしい。 店で1、2を争う害のないナイスガイ。昼間のスーシェフ。 トロ… […]… 07/30/2009
外国での暮らし 経験 愛逢月 先月から今月に移り変わる夜 もの凄くびっくりすることを教えてもらった ”びっくりすることを教えてあげよう”と言われ ”なになに??”と飛びつく。 ”じゃーん、もう7月だよ。” わたしはメダマが飛び出るくらい驚いた。 いつのまに。 わたしたちは、駅から手を繋いで歩いていて、 ニューヨークには月があまりいないね、という話をしていた。 月と話をするのは、とても特別だが、 月の話を別の誰かとするのも、また […]… 07/04/2009