しぜん 外国での暮らし

年老いた猫のように

冷気にぐっと深く沈まされ 静かな水曜日を過ごす それをdownと呼ぶのかどうか ともかく自然界ではこの季節に向けて眠る準備をするのだ だから朝来て挨拶を交わした時に “元気がないよ。”と素直に答えても、それは悲しいことでも何でも無く、 “そっか、うちの17歳の猫達も、ここ数日ずっと眠ってるんだよ。 トモダチの家の猫もだってさ。” そんな調子なのだ。 […]…

11/12/2010

恋する死に際

誰かの肌にふれた夢のような夜のことは、 幻だったのかもしれないといつも思う。     このからだに感触が刻まれているのは、 ほんの一日か二日で、 それ以上経ってしまえば何事もなかったかのように過ぎてゆく。 確かなものなどどこにもない。 そして、そのうちまた幻のような夜に酔いしれて、 浸かって融けて キスの海に溺れて 消えてなくなるのだ。 そんな風に死ねたら本望だよな。 &nbs […]…

11/05/2010
くらし 外国での暮らし 経験

people

早朝にさっさっとレストランの前をほうきで掃く若者が、 なんとも爽やかで幸せな朝だった。 シゴトはぼちぼち、ばたばたしていて忙しいし、 自分のフィロソフィーとは全然合わないのも承知で素直に受け入れれば、 事はとてもスムーズに進む。 朝暗いうちから働くのは、寒さが深まるこの季節じゃ厳しさもありつつ、 やはりほっとする。 trick and treat と訪ねてくる子供達。ゆっくりな日曜日のお店。 みん […]…

10/31/2010
外国での暮らし 経験

ニューヨーク、時々元恋人

”where is mai now?” 半年ぶりに携帯に小文字だらけのテキスト。 留守電のメッセージをきくと、 わたしを訪ねて韓国料理の店を訪ねたらもう2週間前に辞めたよと言われて nyを彷徨っているらしい。相変わらずのマックスぶりである。 いまチェルシーで働いてるからおいでと住所をメールすると、 案の定向かいの姉妹店にまた「マイは働いているか」と訪ねたらしく、一体どうしたらそんなにそそっかしいん […]…

10/30/2010
台所 外国での暮らし

Raw

Raw の場所の、あの生暖かくて独特の渇いた匂いを嗅ぐと、 強い郷愁に駆られて切なくて胸が締め付けられるほど ほっとするのは何故なんだろう。 木の実とか野菜とか香草の混じりあったその他の何処にも無いような 田舎の台所の匂いが、いまの私を激しく惹き付ける。 火のないキッチン。在るのは乾燥機だけ。 初めてそこに立った時は、バーモントと同じ匂いだと思ったけれど、 何度か色々な場所でデジャヴに襲われてよう […]…

10/08/2010
せかい

Change without change

変わらない日常、それほど美しいものはないと思うのに、 変化している。 変わらない日常は、やはりそこにあって、 その脇で、何かが そして刻々と、早送りされた空と雲の映像のように 変化している。 身体も心も魂も、刻々刻々と音と立てて 変化している。 どこへ向かっているのかは、わからぬままで、 ただ変化の波の中でわたしは ピアノの音を聴いている。 変わらない日常の付箋の上で、 変化していく音符をぼうっと […]…

09/29/2010