この部屋に、越してきたのは 息子がまだ、1歳に満たないころだった。 それまで実家で肩身の狭いおもいをしながら、なにをやっていいのかわからずに 途方に暮れた時期。 外国に逃げて、一からまっさらな人生を始めたかった。 彼を産んだ土地までの飛行機のチケットを握りしめて なんども飛ぼうとするのに、なぜか、どうしても動けなかった。 三回飛行機のチケットをキャンセルし […]…
日々は、つづく 結び目の前も、結び目のあとも 日々は、こくこくと、たんたんと、音も立てずに続いている。 たくさんのものを、失った。 それでもていねいに、見送った。 ろうそくに灯りを灯して、その部屋にやってきた日のことを想った。 見送るもなにも、ほんとうはもう、とっくに無かったものを わたしは探していた。 日々は、つ […]…