この世界の、絶望という絶望の化身のようなわたしが、それを脱ぎ捨てるとき それは、この世界における絶望という絶望すべてに対して、愛を持てるときだった。 海の底に沈んだ人型の鉛 海藻と苔に覆われた何百年も前に沈んだ重たい重たい鋼鉄の船のように、それは魚や深海の生き物たちの棲家となった。 抜け出た泡のような軽やかで光る魚は、つぎつぎと自由に泳いで、重たい海の底など感じさせぬような、そんな艶やかな動き 海 […]…
わたしは相変わらず、崩れ落ちるように、または床に全身磁石でくっついているようにして、その床に伝う涙と鼻水で洋服をビショビショにしながら、泣いていた。 あまりに苦しく、分からないことがこの世界には多すぎて、その瞬間、とくに分からなかったことが、 なぜ、ひとは、一番愛しているひとと一生を共にすることを選ばないのか? 一番愛しているひと以外のひとと、家族でい続けるということは、一体、本当に一体、どういう […]…